【ジンギスカン特集】北海道の3大食文化 「株式会社マツオ」様

【ジンギスカン特集】北海道の3大食文化 「株式会社マツオ」様
今回は北海道の3大食文化の1つでもあるジンギスカンの松尾ジンギスカン(株式会社マツオ)の常務取締役、歌原邦芳氏にお話を伺いました。

Q.北海道民として松尾ジンギスカンを知らない人はほとんど居ないが、実際にジンギスカンの発祥だったり、どんなこだわりをもっているのか?その味を知ってるかというとそこは非常に疑問に感じていたところです。その疑問をまずはぶつけてみました。

A.もともと北海道には、羊は存在しない動物でした。そこで国力あげるため、衣類の原料である羊毛増産政策の1つとして大正7年に羊100万頭計画というのが実施されました。その際に、畜産試験場として滝川市、札幌市の月寒(今の羊が丘展望台)、新得という3箇所が選定されました。
その当事の羊は、7-8年の成羊の肉を食用としてました。どうしても羊は独特の臭みがあり焼いているときに煙が非常にでるということで、一般家庭にはなかなか広がりませんでした。
そこで、松尾ジンギスカンでは滝川の畜産試験場で開発されたあらかじめ羊肉をたれに漬け込む方式を採用し、さらに羊肉も手作業で丁寧に筋をとったおししい羊肉を使用し、スパイスを加えた秘伝のたれにじっくり漬け込むことで家庭で楽しめるおいしいジンギスカンの開発に成功しました。


Q.松尾ジンギスカンの発祥はなぜ北海道の滝川市なのか?またなぜ北海道に松尾ジンギスカンが広まったのか?
A.北海道の基幹産業は今も昔も農林水産業すなわち第1次産業です。よってとにかく農業や酪農家が多い。当然のことながら、田植えや収穫時期には多くの人手がいる。そこで多くの人手を集めるには、そこの農家の料理が旨いか?というのが一番のキーポイントで、まさにジンギスカンは手軽でしかも野菜タップリ、そして専用のジンギスカン鍋を囲うことで肉汁が野菜に染み込み、まさに焼く・煮るという1つで2役をこなせる鍋で、各自が皿と箸があれば食を楽しめるということが、松尾ジンギスカンが北海道に広まった一番の理由です。
また、現在、店内でもジンギスカンを楽しむことはできますが、本店などでは新鮮な肉を店頭販売もしており、昔からのお客様はそのことを知っており、今でもわざわざ遠方から買いに求めに頂いております。

ジンギスカンにとって欠かせない3大要素というものがあります。これは1つおいしい羊肉、2つはりんご、3つ目はたまねぎです。松尾ジンギスカンが滝川市で生まれた理由は実はこのジンギスカンの3大要素に秘密があります。松尾ジンギスカンが創業した今から55年前に北海道でジンギスカンの3大要素をすべて満たしている唯一のまちは滝川市だったのです。そしてそれに加え、滝川市は空知川と石狩川の合流する地点であり、鉄道では函館本線と根室本線の合流地点であり、国道12号線と国道38号線という交通の要衝でありました。このことは松尾ジンギスカンのおいしさがいっきに全道に広がることに強く味方したことも見逃せません。

Q.ジンギスカンといえば、もともとジンギスカン鍋を囲んで野外で大勢の仲間で、ビールを片手にラム肉を楽しむという、にぎやかで、またどことなく煙がもうもうと立ちこめるという昔からのイメージがあり、そのため、お店にはどうしても一人で入りづらい、女性からするとお店に入るにはそういった意味で敷居の高い感覚が強かった。それが、現在の松尾ジンギスカンは、非常にスタイリッシュなイメージに変貌し、かつてのジンギスカンのイメージとは違いますよね?

A.6年前程前に社内開発チームの考案により、女性でも気軽に楽しめる、そしてヘルシーというようなこれまでの北海道ジンギスカンの常識にとらわれず全く違ったスタイルの「まつじん」としてオープンしてきました。
昨年2010年5月には、東京都中央区銀座5丁目に北海道外では初となる「まつじん」銀座店をオープンするまでになりました。北海道に縁のあるかたがたを中心に大変お店は賑わっているのですが、中には銀座界隈に従事してるホステスさんが同伴でお店に来て頂くこともあります。ジンギスカンはもちろんのこと、かぼちゃ(北海道産)や北海道産ワイン、そして北海道牛乳100%のデザートを「おいしい、おいしい」と言って大変喜んでいただいています。銀座でジンギスカンだなんて、すいぶんジンギスカンのイメージも変わりつつあるのを実感しております。
松尾ジンギスカン1

Q.ジンギスカンの一番おいしい焼き方は?
A.ジンギスカンは7歩焼きが一番おいしく召し上がれます。まずは、片面(5歩)を焼き、焼けたところでひっくり返して2歩程度焼けたところで食べて頂くと、肉も柔らかく、一番おいしく召し上がることができます。
松尾ジンギスカン2 松尾ジンギスカン3

Q.ジンギスカン以外でこだわっているメニューはありますか?
A.当店では、「ゆきわさび」をご提供しています。これは、北海道にしかない山わさびを白醤油でつけたものです。これは非常にジンギスカンと相性がいいものです。 ぜひ、当店にお越しの際には味わって頂きたい食べ方の1つです。さらに、すき焼き風に食べて頂こうと、卵は夕張郡栗山町から直接仕入れておりこれまでにないジンギスカンをお楽しみ頂けます。

Q.設備等でこだわってることはありますか?
A.ジンギスカンといえば、煙が気になる部分ですが、上部に換気口があるのはもちろんですが、(取材した札幌駅前店では)無縁ロースターを全テーブルに配備して、鍋の四方に換気口を備えることで多くの煙を吸い込む工夫をしています。そのことにより、かなりの煙を吸収でき安心して楽しむことができます。
また、ジンギスカンといえばジンギスカン鍋ですが、創業当初は、コンロではなく炭であったため、火を通すため鍋に穴が開いておりました。そこから6段階の改良版を経て現在の鍋になりました。
松尾ジンギスカン4 松尾ジンギスカン5

Q.お客様に何かメッセージを
A.気分が落ち込んだ時でも、ジンギスカンで元気になり笑顔になってもらえると、またうれしいですね。
 現代の多様化してく食のスタイルの中で、原点回帰して、ジンギスカンはやはり屋外で食べることが一番おいしい!ということを提案していきたいと思っています。そこで、当社では「デリバリージンギスカン」というのをやっています。札幌市内限定のサービスではありますが、これは何かというと、お肉・野菜といった具材から、鍋、コンロといった設備を全て用意させて頂き、お客様は電話1本で、花見・町内会・PTA行事・運動会など野外で気軽にジンギスカンを楽しんで頂こうというサービスです。
また、割り箸、取り皿も無料サービス、鍋を洗わなくても良く、後片付けもらくチン、札幌市内であれば配送料無料、雨天でのキャンセルも無料なので、お客様は、手ぶらで安心して楽しむことができます。また、鍋は松尾ジンギスカン特製のジャンボ鍋で焼きます。
※ただし、鍋には限りがありますので、事前にご確認のうえお申込下さい。
松尾ジンギスカン6 松尾ジンギスカン7

最後に常務取締役の歌原氏は、今、ジンギスカンがあるのは昔の人が苦労して形に残してきてくれたおかげなので、だからこそ自分も次の世代へ責任持ってこの素晴らしいジンギスカンという食文化を伝えていき、末永く皆様に愛され続けるため、そして思い出に残る北海道の食文化として、皆様方が身も心も元気になるよう、これまで以上に北海道の気候や風土に愛着を持ち、全国のみならず、さらに世界に発信していきたいと語る。

今回の取材で一番感じたことは、創業当時のこと、つまりあくまでおしいいジンギスカンを提供し、さらにお店の雰囲気の中で会話を楽しんでもらうことに貪欲に追求する姿勢を常に忘れず、人の何倍もジンギスカンに対して愛着を持ち、北海道の食文化の代表でもあるジンギスカンが時代を経て、現代における食文化の新しい食のスタイルを提案し続けることがまさに重要で、そこに使命感を持って取り組んでいる松尾ジンギスカン様の今後の展開が非常に楽しみでもあります。

今後もたびあるごとに、北海道の食文化の代表として我々も応援し発信していきたいと思います。

2011年6月23日 まつじん札幌駅前店にて

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