今回は、北海道初、無人店舗をオープンした
竹栄株式会社 代表取締役社長 竹田尚弘氏にお話をうかがいました。
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Q.竹栄株式会社は、創業されてどのくらいになるのですか?
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昭和3年に私の祖父が和歌山県より、
北海道という寒い地域で起毛ネルを中心とした防寒商品は必ず売れるだろうと,
小樽市でアパレルの卸業から始まりました。
昭和11年には自家製造工場を稼動しました。
現在、創業して95年目になります。
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Q.現在、経営者になられてどのくらいになりますか?
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2020年10月より、父より引き継ぎ2年目になります。
会社に入る前は、小樽市役所に勤めていました。その時の仕事関係で日本全国をあちこちと周っていました。
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Q.楽天さんではさまざまな表彰をされていますが、ネット通販はいつから始められたのですか?
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2005年より楽天さんで初めて通販を始めました。
当初は、フォトショップの使い方なども分からず専門学校に通いながら、商品画像のアップから梱包、発送までスタッフ2人でスタートしました。
始めて3年間は、なかなか売れず赤字が続いていました。
4年目から売れ始めて、楽天さんよりエリアアワードに選出され、テナントへ通販を教える講師に選ばれるまでになりました。
卸業は、メーカーが作ったものを売るということがメインですがこれからはオリジナル商品を売っていかないと未来はないと思い、2013年に初代の祖父が考案した「Yuk(ユック)」というアイヌ語でエゾシカという意味の北海道に特化した子供向け防寒ブランドを復活させました。
現在は、オリジナルブランドの伸びもあり、会社の売上の4割がネット通販で占めるまでになりました。
通販を始めた当初はマネキンを使って写真撮影をしていましたが、
将来はキッズモデルに着てもらわないと会社と商品のブランド化は厳しいだろうと考えていました。
そこで、宮の森にある一戸建てを改造して「遊びに行く写真館」【なないろものがたり】をオープンしました。
なないろものがたりは、写真を撮る場所ではなく、
遊ぶ場所というコンセプトで一家族で完全に貸し切りとなっています。
だから、撮影後は、お菓子を食べたりドリンクを飲みながら、
撮影したスライドショーを家族だけでゆっくりとした時間を
過ごしてもらうスタイルになっています。
おかげさまでキッズモデルも50名を超えました。
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Q.北海道で初の無人店舗をオープンされ、目的や狙いなど教えていただけますか?
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無人店舗はコロナではじめたと言われますが、
実はコロナ禍以前より構想をしていました。
というのも実店舗でアパレルショップを運営し売上を作るには、
人手不足、人件費の増加、管理の手間など直面した課題が山積でした。
当初、量販店さんに無人店舗の提案をしてみたこともありましたが
残念ながら断られしまい、
じゃあ、自分でやってみよう!と
5年ほど前から少しずつリサーチしていました。
無人店のメリットは、有人店に比べてコストを抑えて
24時間いつでも買い物が楽しめるといった環境が構築できます。
ただ一方で、無人店舗というのは人の気配がなく、
無機質なイメージになってしまうので、
新しい売り方としていかに人の気配を演出できるか?
ということにこだわったお店づくりをしています。
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Q.御社の一番の強みはどんなところだと思いますか?
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卸業というのは、メーカー、小売店の間にある立ち位置で、
人と人、物と物といろいろなことを繋げられる強みがあります。
その強みを、さらに卸業という枠にとらわれず、
いかに差別化していくか?それがこれからは重要だと思っています。
そのためにインナーブランディングに力を入れ、
これからは自社の強みを前面に出していく必要があると思っています。
そのためにミーティング、会議においても、社員と同じくブレストしています。
そうすることで、風通し良くみんなが何に困っているのか?見える化できるようにしています。
一貫してインナーブランディングを通して、
スタッフ一同いろいろな事業を支え合っているのが最大の強みだと思っています。
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Q.竹田社長の先見の明に、大変驚くほど感心しました。どんなことをポイントに考えていますか?
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まず仮説を立て、未来を予測し、自社内の事業と社会のつながりを意識する。
点と点を結び線にし、線と線を結び面にしていくという展開をするには、
どうすればシナジー効果を生み出せるか?という観点で組み立てをしています。
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Q.北海道のアパレル卸業からマッチング業へ、今後どのように展開したいですか?
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一昔とは違って、ネット通販の台頭により人々の購買行動が劇的に変わり、
特に田舎においては実店舗が疲弊していくようなことが起きています。
そうするとどんどんと店じまいするといったことになってき、
買い物難民といったことが増えていきます。
そういった問題を解決するためにも無人店舗をパッケージ化して、
北海道内の地域へ提供し広めて行きたいと思っています。
そして、北海道発のオリジナルブランドをブランディングし、世界に発信していきたいです。
北海道は食と観光という文化がありますが、冬のアパレルもその1つになれるようにしていきたいです。
所在地: 〒060-0003 北海道札幌市中央区北3条西12丁目 竹栄
電話: 011-281-3121